○都市伝説解体センターとは
Steam、Switch、PS5で展開されている都市伝説(怪異)を題材にしたミステリーアドベンチャー。
様々な「都市伝説」にまつわる不可解な事件が発生、被害者が都市伝説解体センターに調査の依頼をしてきます。そこで新人調査員でありプレイヤーの分身でもある福来あざみ(とジャスミン)が現場に派遣されます。プレイヤーはあざみを操作して事件を調査、情報を収集していくことになります。
事件の背後にある都市伝説を「特定」し、さらに調査を進めることで事件の真相に迫り、最終的には「解体」を目指します。
つまりは一見超常現象に見えるような出来事が実は人為的なものであったということを証明するのです!
○衝撃的な導入と物語の謎
ゲームを始めて少しすると衝撃的な場面を見ることになります。
なんと序盤に都市伝説解体センターそのものが瓦礫となっている様子が描かれるのです!
これが未来の出来事なのか、それとも別の可能性を示唆しているのか…その謎が物語への興味を一層掻き立てることでしょう。
というか私はこういう感じの流れのゲームでセンターそのものがなくなることってある?と疑問に思ったくらいです。
都市伝説解体センターで扱う事件には「イルミナカード」と呼ばれる謎のカードが関係しています。これは予言のカードと呼ばれており、所有者にはカードにまつわる未来が訪れるとかなんとか。
そして主人公であるあざみもまたこのイルミナカードを一枚持っているのでした。これは物語が深まるにつれてあざみ自身が事件の核心に関わっていくことを予感させます。というか最終話は間違いなく彼女の事件になるという暗示でしょう。
○個性豊かな登場人物
主人公は福来あざみ。彼女は「念視」という特殊能力を持っており、事件現場に残された通常では見えない痕跡(=幽霊のような残滓)を見ることができます。あざみはこの念視能力で見える幽霊をなんとかしてほしくて都市伝説解体センターを訪れたのですがうまい具合にはめられて調査員にされてしまいました。
それはともかく、この能力を使って事件現場の痕跡を辿って情報を収集するのが彼女の役目。
都市伝説解体センターのセンター長は廻屋渉(めぐりやあゆむ)。車椅子のため自由には動けません。なのでかわりの調査員が必要なのですが過去の調査員は長持ちしなかったとか(ジャスミン談)。
彼は「千里眼」の持ち主で離れた場所にいるあざみの調査状況を正確に把握することができ、ある程度情報が集まったところで電話をかけてきます。
あざみと一緒に現場に赴くのが先輩のジャスミンです。センターに入って半年らしいですが本人は「私は運転手だと思って」と言っており積極的に調査に関わろうとはしない脱力系です。ですがあざみが調査中に行き詰まった時には相談に乗ってくれたり、ピンチの時には助けてくれたりと頼れる一面もあったりします。
○調査の手順と「特定」と「解体」
ゲームの基本的な流れは事件の「調査」、都市伝説の「特定」、そして「解体」となります。
事件の調査方法はあざみの「念視」を使った現場での調査に加え、現代ならではのSNS調査が重要な要素となります。Xのような架空のSNSを使って事件現場や依頼人などの情報を集めることで、都市伝説の糸口や依頼人の評判などを見つけ出すのです。
そして事件の調査がある程度進むとセンター長から電話がかかってきて「特定」または「解体」へと話が進みます。
この「特定」や「解体」は直接センター長が電話越しに行うのですが、その判断の基となるのは他でもないあざみが集めた情報と電話でのやり取りの中で示される推理です。
あざみが現場で得た証拠を整理し、センター長の問いに的確に答えることが真実へとたどり着く鍵となります。
推理する場面はありますが、もし間違えてしまっても何度でもやり直しが可能です。間違えたからといってゲームオーバーになるようなことはない……はずです。(何度か間違えてもセンター長に指摘されるだけだった)
物語や雰囲気をじっくりと楽しみたい場合にはこの親切設計はとても嬉しい点でしょう。むしろ敢えて絶対に間違いだと思う選択肢を選んでみてキャラクターたちがどのような反応をするのかを見るのもこのゲームの密かな楽しみ方かもしれませんよ?
○物語のクライマックスと衝撃
物語は最初は一つ一つの都市伝説を追う形で進んでいきますが、6話目の事件はこれまでの1話から5話で扱われた事件が複雑に絡み合うまさに総力戦とも呼べるような内容になっています。
そしてそこで待ち受けるのは想像を遥かに超える衝撃的なラストです。物語のいくつかの要素については予想できる人もいるでしょう。例えば真犯人とか。しかしその更に先にあるとんでもな真実には大変な衝撃を受けました。ああいうの大好きすぎて終わってしまうのが辛い!!
○終わりに
都市伝説と思われていたことが実は人間の手によるものだった!
その真実にたどり着いた時の驚きや、謎が解けた時の爽快感(特に解体)は他には代えがたいものです。イルミナカードの謎、あざみ自身の秘密、そして瓦礫となったセンターが示唆すること。そして何よりも、全ての謎が収束した先に待つ予測不能な結末など、多くの要素がプレイヤーを引きつけます。
……とはいえですよ、正直連続でずっとプレイしているとちょっとダレてきます。なので一気にプレイしないで1日1話くらいに留めておくのがいいかもしれませんね。
都市伝説が好きな方、ミステリーやアドベンチャーが好きな方、そして先の読めない物語に没入したい方などにはきっとたまらないゲームではないでしょうか。
個性的なキャラクターたちとの軽妙なやり取り(主にジャスミンがツッコミ)も楽しめますし、一体どんな都市伝説が登場するのか、そしてそれがどのように「解体」されていくのか。考えるだけでまだプレイされていない人もワクワクしてくるんじゃないですか?私はニンダイでPV見た時点で凄いワクワクしましたよ!
そうそうプレイしていて気になった点があるとすればセーブについてです。
このゲームはオートセーブのみ、セーブデータが一つだけしかないタイプ。なのでちゃんとセーブされているのか、今ゲーム終了して大丈夫なのかが1回実際にプレイを終了するまで分かりませんでした。
大丈夫です、オートセーブアイコンさえ出ていればいい感じの場所から再開できますから!
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